簡易宿所の審査基準

2016年7月9日

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民泊が旅館業の簡易宿所営業にあたることは、前に説明させていただきました。

ここでは、簡易宿所の許可を受けるにあたり、審査基準をクリアしなければなりません。

審査基準は、各自治体の条例で制定されています。

実際に、福岡市の審査基準を参考にしていただいて、こういうものかと認識していただければと思います。

「簡易宿所営業」とは、宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて人を宿泊させる営業で下宿営業以外のものをいいます。(旅館業法第2条)

 

【福岡市の簡易宿所の構造・施設基準】

(根拠法令:旅館業法施行令第1条、市条例第3条及び第9条)


 

1、営業許可の制限(設置場所に関するもの)

 

以下の場合は営業許可を与えない場合があります。

・施設の設置場所が公衆衛生上不適当であると認められるとき。

・施設の設置場所が、学校(大学を除く)、児童福祉施設及び社会教育施設等(※)の周囲おおむね100mの区域内にあり、その設置によって当該施設の清純な施設環境が著しく害されるおそれがあると認められるとき。

(※)青年の家、公民館、図書館、博物館、児童公園、国・地方公共団体が運営する運動施設、市民センター、専修学校等が該当

 

2、施設基準(構造・設備基準)

 

①施設全般

施設は、玄関、客室その他宿泊者等の用途に供する施設を一体的に管理することが出来る構造であり、かつ、住居その他の施設と明確に区画され、これらが混在していない構造であること。

②玄関帳場(フロント)

・適当な規模の玄関及び帳場を有すること。

・帳場が、宿泊者その他の施設の利用者の出入りを用意に確認することが出来る位置に設けられていること。

 

③客室

 

<一般事項>

・客室の延床面積は、33㎡以上であること。

・他の客室を通行しないで出入りすることが出来る構造であること。

・換気及び採光のため、直接外気に接する箇所に適当な窓が設けられていること。

・客室の天井の高さは、2.1㎡以上であること

・客室とそれ以外の室との境は、壁造りであること

<客室の要件>

床面積 1客室の床面積は、4.5㎡以上であること。
寝具の収納 和式の構造設備による客室には、寝具類を収納する設備が設けられていること。(床面積に含まない)
階層式寝台 ・上段と下段の間隔は、おおむね1m以上であること。

・階層数は、2層までであること。

・寝台の高さは1.8m以上であり、かつ、幅は0.9m以上であること。

定員 1.65㎡につき1人

 

④換気等

・適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有すること。

 

⑤照明設備

・次に掲げる施設の区分に応じ、それぞれ次に定める照度を確保することが出来るものであること。

      施設区分         照度
客室、ロビー及び共同浴室 70ルクス以上
客室の浴室、洗面所及び便所 30ルクス以上
廊下及び階段 30ルクス以上(深夜にあっては、10ルクス以上)

 

⑥洗面所

・宿泊者の需要を満たすことが出来る適当な規模の洗面設備を有すること。

・洗面所は、不浸透性材料で築造されていること。

 

⑦便所

・適当な数の便所を有すること。

 

⑧浴室

・施設に接近して公衆浴場がある等入浴に支障をきたさないと認められる場合を除き、宿泊者の需要を満たすことが出来る適当な規模の入浴施設を有すること。

<浴室の要件>

・屋外から見通せない構造であること。

・換気及び採光のため、直接外気に接する箇所に適当な数の窓又はこれに代わる設備が設けられていること。

・湯気抜き又はこれに代わる機械設備が設けられていること。

・床及び腰張りは、不浸透性材料で築造され、かつ、汚水が速やかに排水できる構造のものであること。

・浴槽及び湯水(再利用したものを除く)を常時供給する栓(これらが設けられていない場合にあっては、シャワー)が適当な数設けられていること。

・浴槽は、耐水性材料で築造されているとともに、床面から5cm以上の上縁が設けられ、かつ、必要に応じ内側に足掛かりが設けられていること。

・原湯を貯留するための槽(以下「貯湯槽」という)には、貯湯槽内の湯水の温度を、通常の使用状態において、摂氏60度以上に保つことが出来る加温装置が設けられていること。ただし、摂氏60度以上に保つことが出来ないおそれがある場合にあっては、あわせて貯湯槽内の湯水を消毒するための設備が設けられていること。

・原湯又は原水を送水するための配管は、浴槽水を循環させるための配管と接続されておらず、かつ、原湯又は原水を浴槽水面の上部から浴槽に落とし込む構造であること。

・打たせ湯及びシャワーは、循環させている浴槽水を使用しない構造であること。

・屋内の浴槽は、配管等を通じて、屋外の浴槽水が屋内の浴槽水に混入しない構造であること。

   共同用の浴室(共同浴室)  客室に付属している浴室(客室の浴室)
1.6㎡以上の面積を有する脱衣室が敷設されていること。          -
る浴槽水を使用する浴槽は、循環させている浴槽水を浴槽の底部に近い箇所で供給する構造であること。          -
        - 浴槽は、循環させている水槽水を使用しない構造であること。

 

3、施設の利用基準

営業者は、営業の施設を利用させるについては、次の基準によらなければならない。

①善良の風俗が害されるような文書、図面その他の物件を営業の施設に提示し、又は備え付けないこと。

②善良の風俗が害されるような広告物を掲示しないこと。

 

4、宿泊の拒否について

営業者は、下記に該当する場合を除いては、宿泊を拒んではならない。

①宿泊しようとする者が伝染性の疾病にかかっていると明らかに認められるとき。

②宿泊しようとする者が賭博、その他の違法行為又は風紀を乱す行為をするおそれがあると認められるとき。

③宿泊施設に余裕がないとき。

④宿泊しようとする者が、泥酔者であって、ほかの宿泊者に著しく迷惑を及ぼすおそれがあると認められるとき。

⑤宿泊者が他の宿泊者に著しく迷惑を及ぼす言動をしたとき。

 

5、宿泊名簿について

営業者は、宿泊者名簿を備え、これに宿泊者の氏名、住所、職業その他の事項を記載し、当該職員からの要求があったときは、これを提出しなければならない。

 

以上が、簡易宿所営業を福岡市で営む上で必要となる構造・設備の審査基準です。これに関連して、衛生措置基準があり、詳細は福岡市条例第9条に記されています。

旅館業の他、建築基準法、消防法などの規制がかかってくる場合もありますので注意が必要です。